kumainu-devの備忘録

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IKEAのTRÅDFRI トロードフリ ゲートウェイキットを使ってみた

以前、自宅にPhilipsのHueを導入した話をした。

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この後、HueBridgeを買い足して無事に使うことができた。 そのまとめの話は今度また書こうと思う。

今回は、私の自宅ではなく、相方の自宅をスマートライトにしようということで、以前から気になっていたIKEAのトロードフリを試すこととした。

きっかけ

自分の部屋をHueライトにしてから、部屋の間接照明に凝るようになり、安価なLEDテープライトが欲しくなった。 少し前に、IKEAの近くをたまたま通ったとき、IKEAにもIoT対応のLEDテープライトが売っていることを思い出し、立ち寄ることにした。 結果的に、あまり安価に導入できないことがわかって一旦諦めたのだが、そのときにトロードフリのセットが安価に売られているのを見つけた。

www.ikea.com

E26電球が1本、E17電球が2本、ゲートウェイとリモコンがセットになって通常販売価格が9,490円。 このセットはもう販売終了品らしく、売り切りのセールで40%OFFになり、5,694円で売られていたのだ。 相方も、私が自宅のライトをスマートライト化して、自分の部屋もしてみたいと少し興味があったようで、このセールが背中を押す形となり、購入を決定した。

設置~セットアップ

私の部屋をスマートライトにする際、シーリングライトを半透明のグレーにしたことにより、10畳間には合わず部屋全体が暗くなってしまったので、IKEAで999円というかなり安いシーリングライトを購入した。 それで、以前購入したグレーのシーリングライトを相方にあげて、そのシーリングライトにE26を取りつけ、テレビ裏に使うE17のライトは家にあった適当なものを使うようにした。 リモコンとのペアリングは、ニトリのネクト、PhilipsのHueのどちらとも違うやり方だった。

ニトリのネクトではリモコンが無いため、スマートフォンと直接ペアリングすることとなる。ペアリングモードは、主電源を3回ON/OFFすることによりライトが点滅し、ペアリング待受状態になる。このトロードフリも、リモコンとペアリングする際には3回ON/OFFを繰り返す必要がある。この点Hueは何もしなくてもペアリングできたのが素晴らしい。 次に、ペアリングの手順だが、Hueの場合は一旦すべてのライトとリモコンを同期して、最後にリモコンをブリッジとペアリングすることで自動的にすべてのライトがブリッジに登録されたが、このトロードフリに関しては逆で、一旦ブリッジとリモコンをペアリングした後に、リモコンと電球をペアリングすることで、ブリッジ側に登録されていくという仕組みのようだ。 いちいち裏のボタンを押したりしなければならなく、非常に面倒だと感じた。

Alexaとの互換性はいまいち

相方の家にはEcho Show5があり(自分が買ったけど相方に取られた)、トロードフリはもちろんAlexaに対応している。Alexa側に電球を登録するまでは問題なくできたのだが、Alexaの定型アクションから操作しようとすると、うまく行かないことが多い。 具体的には、色温度が変わらない、輝度が変わらない、OFFにできないなどである。ほぼ全てじゃないかと思うかもしれないが、ある点にさえ気をつければ問題なく動く場合が多いのである。それはズバリ「色温度を変えないこと」である。何のためにグラデーションカラーの電球を使っているのかとツッコミが出てしまうかもしれないが、実際問題、定型アクションで色温度の変更をアクションに加えて、輝度の調整やON/OFFがうまく動いた試しが無いのである。その店、色温度さえ変更しなければ、輝度もON/OFFも正しく動く。IKEAスキルのレビューを見たところ、どうもこの問題は私以外にも起こっているようだ。もしかしたらFWのバグや電波干渉があるのかもしれない。 また、シーンを登録してもそのシーンをAlexaから呼び出すことができないのも残念な点である。これらの問題はアップデートにより解決されることを期待したい。

色温度が低めでリモコンでの階調が少ない

Hueやネクトに比べて、白色の色域がいささか低く感じる。スマホでの表示色は白なのに黄色がかっている。スマホからならまだマシだが、リモコンから暖色系にしようと思っても黄色やオレンジなど、低すぎる色を温度が選ばれる。どの電球でも同じ色なので個体差ではないのだろうが、リモコン操作で色温度を変えると、4段階でしか色が変わらないのは盲点であった。まぁ、シーンで登録するから大した問題にはならないのだが、昼白色まで白くならないのは少し残念だった。

スイッチの使い勝手が残念

トロードフリの最大のメリットは安価でリモコン付きになることなのだが、このリモコンの動きが曲者なのである。3つの電球があるとしよう。普段は全点灯で寝るときには1つの電球だけ薄暗く照らし、もう2つの電球を消灯するとしよう。 そのまま就寝し、朝起きたらカーテンを開けて、電気を消したい。このとき、リモコンの電源ボタンを押したときに期待される動きは、次のうちのどちらかである。「全照明がOFFになる」もしくは「全照明がON」になる。

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左:全部消える 右:全部点く

前者なら1回押せばいい、後者なら一度全部つくが、もう一度押して全部消せばいい。普通はそうなると想像する。

しかしこのトロードフリはそのどちらでもない挙動をする、具体的には「OFFの電球はONにし、ONの電球はOFFにする」という動きだ。つまり、先程の就寝時のシーンから言うと、薄暗くついていた電球はOFFになり、消していた2つの電球はONになるのだ。

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ON/OFFの状態が入れ替わるというパターン

おそらく、電源ボタンを押したら、各電球の電源状態のビットが反転するような仕組みになっているのだろう。つまり電源ボタンは、一括で電源をON/OFFさせるのではなく、一括で個々の電球のON/OFFの状態を切り替えるのである。果たしてこの動き、誰が得をするだろうか?殆どの場合、リモコンでの操作は全点灯・全消灯への切り替えであろう。

一部の電球がついた状態で、一括操作したい場合、リモコンだけでできないことはないことがわかった。それは、一度リモコンで輝度を明るくすると、すべての電球が点灯状態になるので、その状態で電源ボタンを押せば一括でOFFにできる。 我が家ではこの問題について、Alexaを使って回避している。起床時に「アレクサ、おはよう」と話すことで、全照明を最高輝度にすることで、すべての照明をONにする。そして、出かける前に壁に設置したリモコンでOFFにすることで、帰宅時に再度ボタンを押せば明るい部屋になるという寸法だ。 ちなみに「アレクサ、行ってきます」もやってみたのだが、どうやら「電源OFF」と「輝度100%」は同時にできないらしく、一旦「電源ON・輝度100%」のあとウェイトタイムを設けて「電源OFF」にする必要があるようだ。しかし不具合などでちゃんと動かなければ電気つけっぱなしになってしまう。毎朝これがちゃんと動くかみはらなければならないことを考えたら、現実的ではないとして「アレクサおはよう」にすることにしたのだ。

アプリの作りがいまいち

アプリの作り自体は、ニトリのネクトに近い。電球の各種パラメーターはスライダーを操作中リアルアリムに変更されるわけではなく、スライダーを離して値を確定した後に反映される。つまり、色温度や輝度を調整するときにスライダーを操作する際、いちいち指を離さないと反映されないのである。ホテルなどにある明るさ調整ができる照明を想像してほしい。あれはノブを回すとリアルタイムに明るさが変化する。だから調整がしやすいのである。もしあのノブが、手を離してから反映される仕組みだったらどうだろうか、とても調整がしづらいのが容易に想像できるであろう。ニトリのネクトも似たような問題を抱えていたので、その点リアルタイムに反映されるHueはよくできていると思う。

更に文句を言えば、アプリ内のシーンを作るとき、各電球の輝度や色温度を決めるときに、いちいちプレビューボタンを押さなければ状態がわからないのもクソである。プレビューボタンを押すために数回ボタンを押さなければならないのもクソである。せめて、設定している画面内にプレビューボタンがほしい。

ブリッジと電球感の接続が不安定

割と致命的な内容として、時折ブリッジと電球の通信が切れることがある。その場合主電源をつけ直す必要があり、シーリングはまだ壁スイッチがあるからいいものの、間接照明はケーブルを隠すために、コンセントやスイッチにアクセスするのが面倒なのである。主電源を入れ直したら接続が復活するが、悪いときはブリッジ自体にアクセスできなくなるケースもあった。その場合はブリッジの電源ケーブルを一度抜いて再度差し込むことで解決するのだが、こちらもケーブルを隠しているため、裏蓋を開ける苦労などがある。原因がわからないが、集合住宅なので電波干渉などを受け続けると不安定になるのかもしれない。

これから買う人はHueを選ぼう

ニトリのネクトもIKEAのトロードフリも、製品のクオリティとしては似たようなもので、どちらも固有の問題を抱えている。 電球単体の性能として考えれば、ニトリのほうが豊かな階調なのだが、リモコンが使えない。トロードフリを選べば、リモコンを使えるが、動作が不安定である。 たくさん電球を買ったとき、他と比較すれば確かにHueは高いかもしれない。余計な機能がついているようにも思えるかもしれない。しかし、せっかく便利にするためにスマートライトを導入にしたのに、不具合や使いにくい仕様で苦労しているようでは本末転倒である。もしこれを見ている人が、これからスマートライトを導入したいと考えているならば、PhilipsのHueをおすすめしたい。